カタチから造り方まで、自動運転モビリティ・マイクロEVの原型をデザインする #designship2018
※この記事はDesignShip 2018 2日目のトーク、横井 康秀さんによる「カタチから造り方まで、自動運転モビリティ・マイクロEVの原型をデザインする」の内容を書き起こしたものです。記事を早く出すため体裁が整っていない部分もあるかと思います。あとで気が向いたら直します。
横井 康秀 氏登壇内容(DesignShip Webサイトより)
自動運転モビリティやマイクロEVがこの先普及すると、道路上で人間や荷物を運ぶだけでなく商業施設や空港・病院の車両など、現在見られない多様なデザインが登場するでしょう。
車両の姿・カタチのイメージから3Dプリント・分散製造によるデジタルファブリケーションまで、横断的・統合的なデザインアプローチで実現した、新たな時代に求められるモビリティの原型について、TOYOTA、Honda、そしてDesignShipでも展示されるティアフォーの自動運転モビリティの事例を基にご紹介します。
トーク内容
経歴
工業デザイン畑。美大を出て、大企業のインハウスデザイナーからキャリアスタート。今はスタートアップ。
小さい頃から工業製品が大好きだった。iPodが好きだった。当時学生のときに衝撃を受けた。このようなかっこいい製品を作りたいと思った。案は出るが、iPodに匹敵するようなものを実現できない、なぜできないんだろうと思った。分解して考えてみると、特殊な設計思想、特殊な素材、売れるプロモーション、企業哲学などが全て揃っていないといけないなと思った。前提条件を変えないといけないなと思って今カブクに所属している。
カブク
ものづくりの民主化へ、というビジョンを掲げている。製造業はトラディショナルだが、そこに潜むハードルを打ち壊す世界を作りたい。世界でグローバル分散製造プラットフォームを構築している。世界中の工場をネットワークする。そのネットワークを元に、製造業と全く関係ない会社とも手を組んでやってきた。
既存の製造業の人とも、開発の段階などに応じていろんな工場を自分たちで開拓する必要なく、お客様に合うところを紹介するなど。分散型にすることによって、製造業でもアジャイル型で開発ができる。誰でも自動運転の実験ができるパッケージ商品を、この手法で作ったりもした。既存製品で参考になるものはなかったが、とにかくサイクルを回しながらやってみた。少量生産にも対応できるような工場も見つけて作るなど。
原型のデザインとは
デザインすべき原型のエッセンスとは?→カタチ
これだけではなく、使い方、創り方、売り方(売り切りではなく、サブスクリプション型、クラウドファンディングも)、届け方(オンデマンド、サプライチェーンマネジメントも)も重要。デザイナーからアプローチすべきポイント。
日本にもiPodに匹敵する商品があるのでは?→チキンラーメン
乾麺しかなかった時代に麺を油で揚げる、家庭で簡単にできるという生活スタイルまで変えてしまったもの。チキンラーメンが元になってカップヌードルが生まれた。
自動車領域での事例
トヨタのオープンロードプロジェクト。TOYOTA i-ROADというものがある。車を売るだけでなく、お客様との接点を持てないかと話が会った。簡単なインターフェースを提供して、簡単にデザインできるようにした。スピーディーなカスタムデザインサービスを実現した。
Hondaとのプロジェクト。ベースのモビリティを元に、いろいろカスタマイズできるようにした。デリバリーカーを作りたいという声があった。既存の量産デザインでは応えることが難しい。3Dプリントで解決した。オリジナル箱とぴったりなデザインにしてみたり、愛されるブランドをそのままスタイリングに取り入れたり。お客さんと一緒に初期の段階から作っていった。CEATECでも展示した。
TierIVのプロジェクト。自動運転から、自律して動くようなものに。自動で運転するとはどんなことだろう、ということから考えた。老若男女に受け入れられるデザインへ。最後は分散製造プラットフォームを生かして組み上げた。今全国で乗られているところ。
TierIVのもう一つの事例。物流でも自動運転の可能性がある。台車を自動的に動かすだけでなく、人が介在するはずなので、人に愛されるようなものに。ショッピングなのか、空港なのかなどに応じてデザインをカスタマイズした。スーパーで走らせてみたら大きすぎると感じたので調整したり。つくばチャレンジにも出た。
TierIVの配達自動運転車の話。街の顔となるデザインに。
最後に
人をわくわくさせるのは、原型を作ることが大事。