VRにおける視点のデザイン #designship2018
※この記事はDesignShip 2018 2日目のトーク、渡邊 徹さんによる「VRにおける視点のデザイン」の内容を書き起こしたものです。記事を早く出すため体裁が整っていない部分もあるかと思います。あとで気が向いたら直します。
渡邊 徹 氏登壇内容(DesignShip Webサイトより)
デザインの会社に属しながら実写VRの映像作家をしています。 テクノロジーファーストなイメージですが、圧倒的にUXのデザインです。VRの中で人々にどう振舞って欲しいのか?そのためにはどういう導線の設計をすれば良いのか。 4年間(第三次VRブームの黎明期から関わってきた)の僕自身のVRの企画を立てる際のアプローチの中からキーになることを紹介します。 VRの視点のデザインの考え方。VRにおける体験からの逆算。 VR等身大至上主義への異論、新たな視点での物事体験の獲得。3つのポイントを紹介します。
トーク内容
経歴
デザインを主軸とした会社に所属。紙→web→紙→3D→VRという経歴。いかに情報を遊んで届けるかということをやっていたので、3Dプリンタに触れてみた。どういうことができるのかというところから3Dプリンタに触れた。VRのきっかけはハコスコから。VRという言葉はあまり知られていなかった。なんとか言葉で伝えようとしたが、なかなか伝えづらかったので自分でも作ってみたり。撮影編集だけではなく、デモも手がけている。
今日は、明日からVRの映像作れるというところまで持っていきたい。
VR
行けないところに行ける、思い出を巡れる。デートコンテンツ、プラレールの乗車体験ができるもの、初音ミクが商品の説明をしてくれる、ミュージシャンが目の前に現れて演奏してくれるものなどを作った。
VRに携わるようになってテレビにも出るようになった。いかに体験を作っていくかを考えてやっている。VRは圧倒的にUXである。というより、体験そのものである。
問題意識
周りに同じような人がいなかった。エンジニアからVRコンテンツ作るとか。なので、作れるけど体験の設計ができていないなど。
VRは体験そのもの。映像、映画はスクリーンの向こう側を見ている。VRはそこで何かが起きている、世界の中に入って影響を受ける感が強い。圧倒的に体験なので、UXが重要になってくる。
実写VR
複数のレンジを搭載した撮影機材で収録される。ステッチングという作業をすることでVRで診るための図法になる。VR対応プレイヤーで再生すると360度映像になる。最近の機材はプレビュー環境も充実している。すぐに実験できるようになった。
VRたらしめている3要素
視野角100度以上:自分の見えている視野は120度。100度以上の映像だと、脳が自分が動いていると錯覚する。
0.02秒以内のレスポンス:ズレ、遅延が少なければ少ないほど普段見ているものの見え方に知覚感じる事ができる。レイテンシーの遅いものを見るとVR酔いの原因になる。
視聴者への双方向性:視聴者と映像の演出に関わりがあると、より映像に没入することができる。映像内で目で追う対象があるなど。自分が何かをされているという意識が出てくると良い。
VRが得意な3つのS
スケール:カメラを置く位置が視線の高さ。いきなり高い地点の映像を見ても、高いとは感じない。等身大という感覚を最初に植え付ける必要がある。
スピード:追うことで理解できる。カメラで追う必要はなくて、自分で追ってもらう。これによてスピード感がわかる。
サラウンド:空間把握と理解に関して。正面を見ているだけで完結するのではなく、周りの風景が関わるストーリーを作るなど、見回す必要があるものを作る。
ルールとミッション
事前に考えておいた方が良い。VRの空間に入ると、何も説明しないと迷子になる。空間に入るときに、誰であるかを伝える。それによって役割を意識する。役割に応じた動きをするようになる。
等身大至上主義への異論
VRコンテンツは等身大で作るケースが多い。人類はVRによって物理人体から解放されるべきだと思っている。カメラを低い位置に置いて、それを立った人が見ると巨人のように感じる。