Android エンジニアとして転職します
表題の通り、iOS から離れて Android エンジニアとして転職をします(とはいえ iOS もやる予定ではいる)。ということで今日は2年1ヶ月勤めた会社の最終出社日だったので退職エントリを書きました。特別他人が読んで面白いことは書いてないです。ブコメは見ないぞ。人によっては「わがまま」「甘えすぎ」と思う内容もあると思いますが思うままに書きます。
現職について
私は iOS アプリ開発を担当していました。2ヶ月くらい Android アプリ開発に携わりましたが、ほとんど iOS です。
ちょっと安定してきたベンチャー企業というかんじのところで、「少数精鋭」という言葉がよく当てはまるところでした。一人ひとりが成すべきことを成しているし、サービスに対して前向きに意見を出している状態でした。
Slack 文化なのでリアルで話すことはあまりないですがわりと仲良しな雰囲気もあり、過ごしやすい環境だったなと思います。
この会社に入って一番変化があったのは技術力だと思います。入社した頃の技術力は本当にへっぽこだったと思うんですが、今はちょっとへっぽこくらいになったでのはないかなと思います。
会社、人は本当に好きで、これからも純粋に応援していきたいと思っています。
なぜ辞めるのか
特に会社が悪いわけではなく、「求める環境と実際の環境が乖離してきたから」です。
きっかけは WWDC
運良く今年は WWDC に当たって行ってきたのですが、それがきっかけでした。「お金の面での補助はちょっと厳しいだろうけど、iOSDC Japan 2018 と DroidKaigi 2019 は業務参加したし WWDC も業務参加できるだろう」と思っていたら議論の末、
- チケット代は会社支給、他は自費
- 業務参加ではない(有給5日使用での参加)
- 帰ってからレポート提出
という結果になりました。個人的に業務ではないと判定されてしまったことがわりとショックでした。確かにエンジニアは業務と趣味の境目が難しいですが、私は最新情報のキャッチアップはプロダクトに活かすためにも、知的好奇心を満たすためにも大事だと思ってます。また、カンファレンスの場に行くということも大事だと思っています。後日セッション動画が公開されるとはいえ Apple の技術者に直接質問できる機会はそうそうないし、その場の興奮は動画では味わえないし(ライブ会場で観るライブみたいなもの)、各国の技術者と情報交換ができる貴重な場だし。
このことがあるまでは辞めようと思ったことはなくしばらく働き続けるつもりでいたのですが(2月に「まだ当分辞めないだろう」と思って買った1年定期が今手元に…)、これによって自分でもびっくりするほどテンションが下がってしまいました。今後また海外カンファレンスに参加するかどうかわからない、というかたぶん諸々考えたらもう参加できない可能性があるので同じことはもう発生しないと思うのですが、東京以外でカンファレンスが開催される可能性だとか、技術的投資に対する考え方などなどを思うと、今回だけの話ではない気がしました。情報のキャッチアップをする時に「でも◯◯だからな…」で止まりたくはないです。
これをきっかけに今まで特に気にしてなかった小さないろいろが、「ん、ちょっとアレでは?」と急に気になってくるようになりました。
時間的意味で柔軟さがほしい
1日8時間勤務が必須で「月単位で労働時間が8時間 x 営業日だったらOK」ではないのは不便でした。一度バリからリモートワークをしたときがあったのですが、最終日は移動などの関係で6時間くらいしか勤務時間が取れず、その時は2時間分減給となりました。
リモート、有給の申請がわりと早いタイミングで求められるのも使いづらさがありました。リモートは前週の最終営業日まで、有給は2週間前までにカレンダーに記入、複数日に渡る場合は上長に相談という規定があったので、「最近なんか疲れてるから休み取りたい」と思っても、最短で2週間後という状態でした(もちろん体調不良などは当日でも大丈夫です)。
弊社は基本的には 10:00-19:00 勤務ですが前倒し勤務が認められていたので、私は基本的に 9:00-18:00 で勤務していました。この時間帯を変える場合は前日に Slack で報告、当日遅刻する場合は Slack で連絡というルールでした。遅刻という概念から逃れたいという意味もあって全社の基本時間より早めていたので、ちょっと遅刻する程度でも連絡するのは面倒だと思っていました。「あれをやっておきたいけど、そうすると間に合わない」というのは総合的に考えると生産性が落ちるなぁと。
他のこともやりたい
MTG がほとんどないためコーディングに集中できたのはいいんですが、マネジメントも、採用も、広報も特にやっておらず、将来はマネージャー系にシフトしようかと思っている身なのでちょっとした物足りなさも感じました。また、2年前に入社してからほぼほぼデザインリニューアルの実装をしていて、そろそろ技術的に別のことをやりたいなと思ったのもあります。
将来もずっと働き続けられるか考えた
これを機に仕事、プライベート両面でこれからどうしたいか考えてみました。
プライベートで言うと私は女性でそろそろ30歳なので、結婚とか出産とか考えないといけない時期です(日本産科婦人科学会では35歳以上で初産の場合、高齢出産と言われるそうですね、こわい!)。あとこれからもコミュニティ活動はしていきたいと思っています。
仕事面ではまだしばらくはiOS / Android を始めとした領域でエンジニアとしてものづくりをしていたいです。ほどほどに満足したらマネージャーとして人を育てていく、もしくはプロダクトを育てていくことができたらなと思っています。
そんなことを考えたら、時間の意味での厳しさがあるなと思いました。赤ちゃんがいる生活ってまだ全然想像ついてないですが、きっと時間的に柔軟に対応してくれる会社でないと厳しいでしょう。複数の技術に触れるならその分だけ多くの時間を割く必要があります(今年は iOS の技術的変化が激しくiOS 単体でもキャッチアップ時間がかなりかかるのに、これから Android も本格的に詰め込むのは大変だなぁと思っています)。「業務外」の範囲によっては自分の自由な時間がなくなることになりそうです。
なんとか頑張って上記の「やりたいこと」を現職で実現できるか考えたら、「たぶん無理」という結論になりました。まだ自分のやりたいことに対して妥協する時期でも場面でもないと思うので、職場を変えるという選択に行き着きました。
転職活動
別の記事でまたなんか書くとは思うんですが、こんなかんじで活動してました。
時期
5月下旬〜7月下旬(WWDC 前後は活動を止めていたため、実質1ヶ月ちょっと)
会社選びの基準
- toC サービスの自社開発
- ユーザの声をサービスに活かしている感がある
- 技術的に成長できそう
- 業務扱いでカンファレンスに参加できそう
- 勉強会に参加したり登壇している人がいると望ましい
- Android 見習いでも雇ってくれる
- iOS もたまにコミットできそう
- 勤務形態が柔軟(時間が固定ではない、リモート勤務できる、休み等の申請が煩雑ではない)
- 人数規模が小さい会社の方が望ましい
なぜ iOS から離れるのか
このまま iOS エンジニアであり続ける選択肢ももちろんありました。が、私は「縦」に突き詰めていくより「横」に広げていく方が好きだし、自分に合っていると思うし、自分の価値を高められると思っています。あとは他分野に移るなら早い時期の方がいいかなとも思いました。
なぜ Android にしたのか
- 個人的、もしくは業務で少し Kotlin / Android に触れたことがある
- Kotlin は Swift と似ている部分が多々あり、親しみやすいし楽しい
- 同じネイティブアプリなので取り組みやすい
- ユーザとの接点になる部分を作りたいからフロント技術の方がいい
- Kotlin 使えるようになったらサーバサイド Kotlin とか他の分野に進出しやすくなるかも
- 市場に Android エンジニアがあまりいないらしく、市場価値を高められそう
ということでこれからは Android の勉強を頑張ります。
これから
直近3週間は有給消化とニートをやります。数ヶ月ぶりに、やっとゆっくりできるので、旅行に行ったり Android の勉強したり本読んだりしようかなと思います。あと、ここらへんのブログ記事も(はてなブログで書くか不明ですが)書こうかなと思います。
- 転職ドラフトに初めて参加したら14社からオファーをもらった話
- Web系エンジニアから見た転職活動者に優しい会社
次の職場は恵比寿で、10月後半から働くことにしているので初出社は10/16になります。iOS に関しては隙きを見て業務でやったり、負担がかからない程度で副業できないかなーと思ってたりします。
おしまい