プロダクトは歳を重ねるとどうなってしまうの #ABC2019s
ABC 2019 Springのトークの書き起こしです。
テーマ
プロダクト開発運用の現場で年とるとどうなってしまうの
自己紹介
バイドゥ株式会社でデザイン職
20代
「おごられて仕事を受けたらただの乞食」という言葉を先輩からもらった。ちゃんとギャランティーをもらいなさい、ちゃんと自分に値段を付けて売る、ということ。
30代
「UXデザイン検討にあたり専門家の知見は、無用である」という言葉をWeChatデザイナーからもらった。人間中心デザインのようなセオリーをあてにしてない。ユーザ成長を阻害することになる。
40代
「The wind cannot defeat a tree with strong roots」(風はしっかりした根っこが生えている木は倒せない)という言葉が印象に残った。
Simeji
IMEのアプリ。最初Android、次にiOSを開発した。2013年の時点で700万ダウンロードされた。10代女性における認知、利用経験度は約50%。キャズムは超えたのかな、というところ。
プロダクトの階段
- 自分のニーズに忠実に楽しく作る
- Simejiは初速が良かった。ニーズがあるということはわかった。
- リテンションをKPIに真面目に開発すればちゃんと伸びる
- 目標を持って開発しなければいけない段階。アプリの質を重視。3年目くらいまで。
- もはや自分ではない他の人のニーズを把握しなければ伸びない
- これが今。自分よりも若い人のニーズを、素では把握できなくなったので、コストをかけてリサーチ。
- 求められよ、さらば続かん
今はターゲットが好むような施策をいっぱい打っている。
過去のKP
- 開発面ではリテンション重視
- 運用面ではとにかく獲得に注力
- SNS広告、CMなど
現在のKP
今重要な職能
ユーザが増えてニーズの追っかけ方が複雑になってきたので…
- リサーチ力のあるPM
- キャンペーン運用できるマーケ
- KPに基づいてSNS運用できる人
インスタをどう活用していくかを悩んでいるが、まだ解がない。
私にとってこの8年で変わったこと
- デザイナーとして求められることが変わった
- デザインに対する価値が多様化した
- 深セン変わりすぎ
デザイナーとして求められることが変わった
- 20代:質と量
- やろうと思ったら結構働ける。言われた通りにやってくるのは便利、と思ってほしいと思ってた。
- 30代:量より範囲
- 世の中的に、作ることが簡単になってきた。たくさんのことをすぐやるのは、優れていることではなくなってきた。いろんなことができることに価値が出てきた。画面遷移図を描いたりコード書いたり…。
- 40代:範囲+管理
- 30代でやってきたこと+チーム全体が出してきたもののレビューをやったり、リサーチ、ニーズ整理、法務関連もやったりする。
キャリアの長いデザインーに求められるスキル
人間は直感が先に入って、次に理性が入る。デザイナーは直感が非常に重要。こうゆう形にしようということを決めないとデザインができないので、直感が重要。が、それが直感だという認識がないといけない。あとで理性フェーズに入って、整理してからエンジニアに説明しよう、としないといけない。
デザインに対する価値の多様化
10年前は、例えば男性はピンクを好まないなどが言われ、一方的にデザイナーの意見が通っていた。今はデザイナーの視点だけでなく、ターゲットのフィードバック、チームの意見、既存サービスのアナリティクスも見ていくようになった。デザイナーは間に入って、ハブになるコミュニケーション能力を発揮しないと話が進まない。
8年で変わらなかったこと
- 若年層のニーズが常にコンシューマ向け事業のマーケットを牽引し続けていた
Twitterは23歳、Facebookは20歳、TikTokは20代の人が思いついて開発された。若い当時に自分がほしいと思って作ったものが流行っている。若者のニーズはすごい。若い人のニーズをうまく掴んでいきたいと思っている。
最近109がリニューアルした。色合いがすごい。韓国の影響をすごい受けている。美容業界も韓国の影響が強い。雑誌で使われているフォントは、韓国のフォントに似せたフォントを使っている。今はどこの国からやってきたということをあまり意識しない。
この先どうしよう
デザイナーは一生戦闘員。デザイナーは現場にいないと価値がない。将来の心配より自分のルーツ、足元を気にする。自分はこれからもアート、芸術、人を楽しませる何かに携わろうと思っている。とはいえサービス運輸戦闘員として組織に所属するのは50代が限界かなと思っている。体力の限界、平行プロジェクトが増えて思考が浅くなる、ほむらちゃん状態に対する体制劣化など。
- プランA:別の組織に新兵として参加する
- プランB:別の職種をゼロから目指す
- 自分で責任が取れるもの
- ないと思うこと:フリーランスデザイナー
- チームの重要性を実感している