とりあえずやってみればいいじゃん

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読書メモ:『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』③

読んだ内容を忘れないように、かつより深く理解するための読書メモです。書評とは違います。

対象の本

21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由

初版 第3刷

今回の記事で扱う範囲

  • capter 1:デザイナーから学ぶハイブリッド知的生産術

要約

左脳と右脳を両方活用したハイブリッド思考を成り立たせている要素を「インプットの質」「発想のジャンプ」「アウトプットの質」の3つに分けて説明する。


■インプット

デザイナーはファクトを集めるだけでなく、右脳を刺激するビジュアル的なインプットを大量に収集する。ビジュアル情報はテキスト情報に比べて圧倒的な情報量があり、より具体的に人の気持ちやシーンを思い浮かべられる。さらに重要なこととしては普段とは全く別の世界に触れることで発想を広げることである。一般にリサーチを行う時は平均的なユーザを対象にするが、わざと両端にいるユーザを対象にすることで思考の幅を広げることができる。この手法を取ると大量の情報を処理する必要が出てくるため、ビジュアルシンキングを使ってシンプルに整理すると良い。日々そのように整理する癖を付けると自然と右脳と左脳を使い分けることができるようになる。

■ジャンプ

ユニークな切り口を生むためには「新結合」「アナロジー思考」「前提を壊す思考」の3つが必要である。新結合をするには、一見異なる要素をかけ合わせて発想する強制発想マトリックスを使うという方法がある。アナロジー思考は一見異なる事柄から共通点を見出すことであり、日々の中で実践する場合は比喩表現を探すのが有効である。アナロジー思考は身近なものと結びつける発想のためのアナロジーと、身近なものを全く異なるものと結びつける伝えるためのアナロジーに分かれる。

ブレイクスルーを起こすような飛躍したアイディアをなかなか出せないのは、無意識のうちに常識にとらわれているからである。一つの解決法としては①暗黙のうちに信じているルールを書き出す②その逆を書き出す③その中から2つの軸を選択④相反する形容詞を入れて4象限のマップを作る⑤手垢が付いていない象限についてブレストするという方法がある。

■アウトプット

シンプルで感情を振り動かすには凝縮フォーマット、ストーリーテリング、体験デザインという3つの要素がある。凝縮フォーマットは1枚絵など、フォーマットに制約を課すことによっていらない要素を削ぎ落とすというものである。ストーリーテリングはできるだけ具体的なストーリーで表現することで人の心を動かすというものである。有名なフレームワークに英雄の旅というものがあり、物語の最小構成要素として 主人公が / 宝物を得るために / 試練に打ち勝つことで / 幸せになる という4要素を自分たちが提案したいサービスの最小4要素に置き換えてストーリーに発展させる。体験デザインではプレゼン時に単にプレゼン資料を作るだけでなく、メディアやプロトタイプを用いて表現するなどの方法がある。


デザイン思考ができるようになるために意識しなければならないことは①全ての情報を厳密に処理しようとしないこと②不明確な状態を恐れないことである。

調べたこと

p.50 強制発想マトリックス

マトリクスを使って発想した具体例はこちらこちらこちらが、2軸の決め方はこちらを参考にすると良さそうです。

p.52 アナロジー思考

こちらの記事も参考になります。

自分の考えなど

ビジュアルシンキングと聞いてグラフィックレコーディング(以下グラレコ)が連想されました。グラレコはMTGやセミナーの様子をグラフィックに整理して記録する手法のことで、具体例はこちらなどから確認できます。絵にして記録すると物事の関係性がわかりやすかったり、何が話されているのかがひと目でわかったりするので非常に有効な方法だと思っていました。

英雄の旅の具体例はネットで探してみたのですがこれといったいい例が見つかりませんでした。