“破壊”からはじめよう #mercariR4D 参加レポート
メルカリ社のR4D主催のイベントにブロガー枠として参加してきたのでレポートします。まとめというよりは聞き起こしに近いです。
このイベントについて
- R4Dとは
- 位置づけ
- 外部パートナーと共同研究を進め、研究開発・社会実装を行う
仕事のあたりまえを壊す!〜自動化が変えるこれまでのやり方〜
ファシリテーター: Mercari, Inc. R4D XR Research Engineer 諸星 一行 登壇者: Mercari, Inc. R4D Officer 山村 亮介 登壇者: Mercari, Inc. R4D Hardware Engineer 漆山 龍太郎 登壇者: Mercari, Inc. TeamAI Officer 木村俊也
日本の労働人口の約49%が技術的には人工知能等で代替可能と言われている
これまでの「自動化」経験を踏まえて思ったこと、感じたこと
山村さん:
- 自動車関係の部品を作っていた
- 工場で自動化を進めると汎用性が効かなくなる
- 大量生産には向いているがパーソナライズが苦手
- 自動化はいいけど課題は出てくるよね、という感覚
木村さん:
- ソフトウェア寄りの自動化をやっていた
- スパンフィルタリング、違反出品の検知とか
- ハードウェアと違って導入が簡単
漆山さん:
- ソリューションビジネスを展開しようとしていた
- 人間が楽をする方向にしか自動化は進まない
- 自動化について思うこと
- やる理由は人手が足りないから、というのが要望として強い印象(特に農業等)
- ロボットはそんなにロバスト性(環境に対する変化の許容具合)がない
- ロボットがまともに運用できるようにするには環境を作ってあげないといけない
- 導入する時にお金がかかり、大企業しか導入できなくなる
- みんなが思うほど自動化は進んでいない
- 現場の人からすると導入にナーバスになって進まないという面も
- 人手不足を解消する方法は3つ
- 移民→国民感情的に厳しい
- 自動化→なかなか進まない
- みんなで没落する→この可能性が高くなってくる
木村さん:
- 自動化せざるを得ないという状況になっている部分はある
- 職人的に蓄積してきたノウハウが伝承していけない時代が来てしまうのでは?
- 伝承の一つとしてAIや機械学習は必要になってくるかも
自動化は必要なのか、進んでいくのか
山村さん:
- 仕事の能率が上がっているのに仕事が増えている、という経験があるのでは?
- 世の中が複雑になっているので人で簡単に賄えるものより技術でどうにかするものが増えてきており、自動化しないと追いつかない
- 誰でもできる仕事は機械にやらせて、自分たちが本当にやりたい仕事をするべきで、そのために自動化が必要
木村さん:
- 再現性があることは人工知能でもできる
- クリエイティブ部分は正解がなく複雑なのでそっちに人間が時間を割くべき
R4Dが自動化をやるなら?
山村さん:
漆山さん:
- 高度に自動化された社会はきっと楽
- 同時に、達成感、満足感が得られなくなるのでは
- ↑これを埋めるようなエモーショナルな何かができたらいい
木村さん:
- 様々な勝ちパターンをあらゆる業界で当たり前にしていきたい
- もしかしたら人の命を救えるかもしれない
- 今は画像から癌の検出ができるようになりそうな状況
会場から質問
Q.自動化には自動運転の責任問題など、法律の壁もあると思う。現状がどうであるか、これからどうなるといいと思うか。
漆山さん:
- 新しいテクノロジーには法律的な壁はつきもの
- 今、国の方で優しくしようよという話は出ているので少しずつ良くなるのでは?
- 例:ドローン
- 配達したらそれで終わり、にはならない
- どこかで落ちる可能性もありその場合は取りに行かなければならないが、空き家に落ちてしまった時、容易に入れないところに落ちてしまった時に誰が取りに行くの問題がある
- その場合バックオフィスが必要で、それをどれだけ自動化できるかがキーになる
山村さん:
- 全部確率の話
- 自動運転で事故が発生する確率は人間より低いけど、発生するとニュースになる
- アメリカはとりあえず広めてしまえ感があるのでその点はやりやすい
木村さん:
- 行政と協力することが最短の道
Q.自動化が進むと待っている楽しいこと
漆山さん:
- ナイトライダーというドラマでは車の中にAIが入っていた
- 何かしら喋りかけた時に定型文ではなく自由文で回答してくれたら楽しそう
山村さん:
- もうちょっと感情理解してくれるといい
木村さん:
- ドラえもんのように汎用AIと呼ばれるものが普及する世界はまだ先だと思う
- ルンバのような専用ロボットはもっと出てくると思う
最後に
R4Dでは10年後の話をするが、それを皆で合わせるつもりはなく、それぞれが目指すものを追っている。
働き方を壊す!〜もっと自由に、自分でデザインする〜
ファシリテーター: Mercari, Inc. R4D Producer 引地 菜摘 登壇者: Mercari, Inc. R4D XR Research Engineer 諸星 一行 ( @ikkou ) 登壇者: Mercari, Inc. R4D Producer 相樂 園香 登壇者: Mercari, Inc. R4D Producer 太田 智美 ( @tb_bot )
「働き方を自分でデザインする」とは?
太田さん:
- Pepperとの出会いがきっかけでこの分野に
- JR東海に相談してPepperと旅ができるようにするなど
- Papper登場初期の周りの反応が「気持ち悪い」など、今までのロボットに対する意見とは異なる反応だったのが面白いと思った
相樂さん:
- 個人の活動と会社での活動を続けている
- デジタルファブリケーション分野
諸星さん:
- マス向けにXR周辺技術を広めていきたい
- お金稼ぎのためにやっているわけではない
相樂さん:
- 個人でできること、会社でできることは違いので両方本業のつもりでいる
- 何か新しい技術が出てきて、それをどう広めるかと思った時にメルカリという会社が非常に良かった
自由のために破壊しなければならないものって?
相樂さん:
- 自分のやりたいことをやっていたら道ができていた
諸星さん:
- やりたいようにやっていったら制約が取っ払われていたり、解決しようと頑張ってみたり
太田さん:
- 逆に破壊しないように気をつけていている
- Pepperと一緒に出勤するために朝早い時間に電車乗ったりとか
- どうやったら安全なのかは考えている
- Pepperと一緒だと道が歩きにくいとかはあったがそんなに制約はない
相樂さん:
- 他人のルールを破壊しないように、自分を変えていっている
- メルカリはフレックスで働きやすい環境
太田さん:
- スカートの短さ、ヒールの高さで苦労したりはしてる
- 音大の時は服装によって練習見てもらえなかったりした
- 文化的背景によって制約は作られている
相樂さん:
- デジタルファブリケーションでは日本で作ったデータをフランスで出力したり、国境を感じないで仕事できるようになってきた
諸星さん:
- メルカリは基本はリモートNG
- Oculus Goは一つの空間にみんなで入れる
- 近い未来、場所が離れていても本当にそこにいるように感じられるようになるかもしれない
- 特定の日はOculus Goで出勤したりできるかも
働き方を自分でデザインした上でR4Dで実現したいこと
太田さん:
- スマホ決済タウンを作りたい
- ロボットに興味がなくても出会わなきゃいけないみたいな街を作りたい
- ICチップ付けたり、素材を変えたりして道路を変えなきゃいけないかもしれない
相樂さん:
- テクノロジーで人々の生活、未来を変えていきたい
- 実際に人々が生活上の想像ができるとこまで入り込んでいきたい
諸星さん:
- 電車の中でOculus Goを被るなどはまだ未来と感じると思うが、これを変えていきたい
会場から質問
Q.破壊していけるのは会社に依存しない人だと思うが、自分で壊す力がない人たちに向けてどう働き方改革をしていくのか?
太田さん:
- スカートの長さに関しては「諦められた」
- 自分から破壊しようと思ってなかったがやり続けていたら相手が諦めてくれた
諸星さん:
- 壊そうと意気込むと障壁にぶつかる
- 今とはちょっと違うことをやってみよう、で良くて、大々的に破壊する必要はない
- やってみて向いていたらもっと突き詰めてみたり
相樂さん:
- 世の中の人みんなが革命を起こすと大変なことになる
- 社内での事例
- プロトタイプスペースを作りたいと言った
- しかし今までソフトウェアしかやっておらずPC上で完結していたため、リアルなスペースはいらないと言われた
- でも実際に見られることが大切だと思ったのでd.schoolなどの実例を見せたり、小さい実験をやったら効果が認められた
- 自分たちのできる範囲で挑戦することはできる
Q.「働き方をデザインしよう」と思ってやっているのか、それとも結果論なのか。また、重視していることは何か。
諸星さん:
- 結果的にそうなった
- やりたいことができないのであれば理由を探って実現させた
太田さん:
- 結果的にそうなった
- いい匂いのする方に行く、心臓が動く方に行くなどをしている
相樂さん:
- 結果的にそうなった
- 自分の身をどこに置くかは意識している
Q.自分のプライベートを犠牲にしている感覚はあるか?
諸星さん:
- 去年子供ができた
- コミュニティイベントや出張で家を空ける時間がある
- 奥さん視点だと、犠牲にしている感はあるかも
- 自分としては犠牲にしているとは思っていなく、仕方のない部分と思って折り合いを付けている
相樂さん:
- 頼まれたからやってしまった、嫌だけど受けてしまったという時は犠牲にしてる感ある
太田さん:
- ロボットにつきっきりの生活を3年間していて、それが循環していてハイになっている感覚がある
Q.ワークショップをやった話があったが、具体的にどのようなことを?研究領域の定め方は?
相樂さん:
- あるプロジェクトで社員の意見を聞きたいと思った
- その当時はブレストもしていなかった印象があった
- そこで、ペーパープロトで本当に機能するかどうかを検証してみた
- そしたたら会議の質が変わり、効果があった
諸星さん:
- 研究領域はこうゆうところをやった方がいい、やりたいで決める
- いろんな人が集まって、メルカリでやる価値があると思ったら実際に動くことになる
まとめ
- 誰も破壊を意識していないし、破壊しないように気をつけている
- 何かに挑戦する時は小さく始める
- やりたいことをやっていたら仕事に繋がった
ビジネスコミュニケーションを壊す! 〜名刺や会議がいらないコミュニケーション〜
ファシリテーター: 月刊I/O 元編集長 藤井 創 様 ( @so_works ) 登壇者: XVI Inc. 代表取締役 近藤 義仁 様 ( @GOROman ) 登壇者: ロボスタ編集長 望月 亮輔 様( @robotstart ) 登壇者: ゲームAI開発者 三宅 陽一郎 様( @miyayou )
※R4Dメンバーでも、メルカリ社でもない人達のセッション
VR/AR、ロボット、AIで名刺問題を解決するには?
近藤さん:
- 紙切れを交換する意味がわからない
- Facebookとかでいい
- 所属変更や転職の度に作って、コストかかってる
- なぜデータを印刷会社に送って、物理媒体に変換する必要があるのか
望月さん:
- Eightでいいかなと思った
- コミュニケーションロボットが効率的なことをしてくれたことはない
- 名刺交換も人となりがわかるので無理して破壊するものではない
三宅さん:
- FacebookやEightがアカウント停止になると一瞬でなくなってしまう
- 最近はその場で名刺が刷れる機械があるらしい
- IDとどこで会ったかがペアでわかる何かがあるといいのでは
藤井さん:
- 「入館時に名刺2枚で本人確認」というのがあるが、セキュリティに何の意味があるのか
- 名刺はその人を表すとはいえず、もっと違う方法があるはず
望月さん:
- カメラ使って人の顔見て覚えて、教えてくれるとか
近藤さん:
- 顔認識して会った瞬間に合った回数や好きなものがわかったりすればいい
- Air Podsが「うどん」なのはのちにARカメラを付けるつもりだからでは?
- マイクロソフトがLinkedInを買い取った理由
- LinkedInからデータ取ってきて会った瞬間にプロフィールがわかって会話が弾むような未来を描いている?
VR/AR、ロボット、AIで会議問題を解決するには?
近藤さん:
- 最近ハンコがメッセンジャー上のいいねに変わった
- もはや会議がいらない
- 今日だって実はこの会場に来なくても良かったのでは
望月さん:
- テレプレゼンスロボットはアメリカでは使われている
- 自分は人と会うことが好きなので無駄だとは思わない
- 「すごい会議」を受けたことある
- 誰かが発言すると「よっ」と掛け声がかかる
- それ自体は特に意味がないものだが、みんな発言がしやすくなる
- コミュニケーションロボットが活躍する場はこのようなところでは?
三宅さん:
- 日本人は合理的に理論が組み立てられない
- コンセンサスの取り方が悪く、合理性が確認できればOK
- 身振り手振り、ボディランゲージなど、メッセージでは汲み取れないことをAIが読み取ってくれれば…
近藤さん:
- 日本語は突然分岐を変えられる言語
- クライアントの顔色を伺いながら途中まで言ってみて、顔色が悪かったら最後を否定形に変えたり
- 音声情報に別のものが乗っている
望月さん:
- ロボットはヒエラルキーを破壊する可能性がある
- ロボットにはどっちが偉いかわからない
- 「人の上に人を造らず」ができる
- 結果、きちんと正しいことを言える
- 社長に対して言えないことを、ロボットに喋らせるとか
- アバターを介することでフレンドリーになったり
三宅さん:
- 議事記録もキャラクターが喋ってしまえば楽しくなる
- 日本人は個人のパーソナリティを仕事に持ち込んでしまう
- 表現をする手段を増やした方が(雷ボタンを押して表現するなど)
- 日本の会議は喧嘩するとその後も引きずる
VR/AR、ロボット、AIでメール問題を解決するには?
近藤さん:
- もう使ってない
- メール、手紙を無視していたらビューカードを止められた
- そしたら電報が来た
- それも無視したら止められた
- 今は仕事もメッセンジャーで決まって、稟議の概念がない
- メールを使ったら速度がでない
望月さん:
- 将来的になくなったらいいなと思うものではある
三宅さん:
望月さん:
- 最後にだってを付けてくれるロボットがある
近藤さん:
- メールをやめても今度はメッセンジャー地獄になる
- これだけは読んで下さいを分けてくれたりしてほしい
- 古くなるとだんだん発酵してヤバイ感を出してくれたら面白いかも
望月さん:
- Gmailにも機能はあるが重要なものについている試しがない
VR/AR、ロボット、AIでコミュニケーションするには
近藤さん:
- コミュニケーションは脳みそ間の同期だと思っている
- 人間は古来から自分の体験を人に伝えたいと思って壁画や文字をかいている
- 喧嘩が起きる原因の一つは「ロス」があるから
- 脳みそにある情報をシンクできればいい
- VRは体験のデジタルコピーができる
- 体験をシンクできるのがVR技術
望月さん:
- 対面コミュニケーションは得られる情報量が違う
- 最近はゲートボックスみたいなのも出てきている
- カードがあって目の前で動くということが違う
- コミュニケーションが取れているロボットはいないと思う
- 雨降っていることを「報告」できても「理解」しているわけではない
三宅さん:
- 人間の直接コミュニケーションではなく間にAIを置きたい
- 人間はいろいろなことを背負いすぎてる
- 人間が入ると加熱してしまう
- ネットはエージェントに任せる
近藤さん:
- 相手事にパーソナライズしなきゃいけない
- 礼儀2.0
- 礼儀のプロトコルが会わない
- 1.0の人たちは時間を使うことが美徳でゴルフ連れてかれたりする
- 2.0の人たちは時間を大事にする
会場から質問
Q.電話などは非効率、Twitterなどは効率が良いとなんとなく思っているが、具体的には?
近藤さん:
- 同期型コミュニケーションではないところ
- 同期だと割り込みが発生して集中力が途切れる
- メールは非同期、slackなどは半同期であり、柔軟性が高い
三宅さん:
- 待ち合わせで相手がまだ現れない時にTwitterで連絡取っていたりするのを見ると「電話しろよ」と思う
- 重要度やTPOによる
Togetter
“破壊”からはじめよう 〜 こわして、つくる、新しい未来。Vol.1 〜 #mercariR4D (7ページ目) - Togetter