とりあえずやってみればいいじゃん

とりあえずやってみればいいじゃん

エンジニア関連のことについてつらつら書くブログ

7/8 Service Design Night vol.2に参加してきました

「Service Design Night vol.2 〜 “ユーザーに愛されるサービスデザイン”と“組織作り&デザイナー育成” 〜」というイベントに参加したのでレポート書きます。

eventdots.jp

Service Design Night とは

  • 事業開発やプロダクト開発に関わる全ての人に向けたスキル、ノウハウの共有や参加者同士の繋がりを広げる交流の場
  • プロダクト開発に関わる人々のデザインへの理解を深め実践へ活かしてもらう

本日のテーマ

  • ユーザに愛されるサービスデザインと組織づくり&デザイナー育成
  • 組織作り&デザイナー育成

Keynote「デザイン以前の仕組みを作る」Supership 上谷 真之氏

モデレーター:株式会社root 西村 和則氏

  • デザインを軸にした組織づくり、キャリア生成などの話が好き
  • 今まで幾つかの組織で取り組んできたデザインを起点としたチェンジマネジメントの考え方と事例
  • 1.なぜ仕組みを作るのか
    • デザインに求められる領域がどんどん広がっている
    • 期待しすぎの人「デザインって最近すごいって聞くしいいかんじにしてくれない?」
    • →デザイナーだけでやるの無理。
    • 「デザイン=デザイナーだけが持つ特殊技能」という認識がまだ現場で強い
    • 社会・組織の期待値の高まりに対し、それを実行するための仕組みや人材も未成熟なケースが多い
    • ボトムアップのやり方では限界が有るのでは?」という課題意識から仕組み側へのアプローチを開始
  • 2.どうやって仕組みを作ったか
    • 当時の状況と課題
      • 創業期からCTOがいたため エンジニア組織は強かった
      • 一方でデザインや企画・マーケは個々のパフォーマンスで属人的に成立している状態
      • デザインに対する捉え方も社内で全く一貫性がなかった
      • 経営からのデザインへの期待は高まっていたが、ニーズが抽象的でアクションに結びつかない
    • 大事にしていた考え方
      • 自身の軸足がデザインにあることを忘れる
      • 最もアプローチすべき人たちは、デザインから最も遠いところにいる
      • 主役ではなく裏方であることを肝に命じる
      • 仕組みづくりをサポートするという位置づけ
    • チーム
      • 自分自身がデザインっていつも言ってるな、という状態を作った
      • 広い意味での開発の仕組み化を行った
      • フィロフォフィーを決めてスタンスを明確化
      • 様々な方法で車内外に定常的にアウトプットし続ける
      • 開発フロー全体を巻き込んでデザインを仕組み化
      • 社内勉強会や他社を招いてのワークショップを頻繁に実施
    • 人材
      • デザインをデザイナーから組織全体の持ち物へと変化させる
      • 基本的にはなりたいデザイナーになってもらう
      • 会社側はそれに寄り添う形でビジョンを具体化するためのサポートを行う
      • とは言えものさしとして提示していた要素はある
        • ハードスキル(本で読んで学べるもの)
        • ソフトスキル(経験などにより学べるもの)
        • メタスキル(これらを扱うスキル)
        • メタとソフトがと肉大事
        • 変化が激しいハードスキルではなく普遍性の高いソフトスキルにフォーカスして育成
    • 実際にどんなことをしていた?
      • 1.成長グラフ
        • 自分の成長過程をグラフに書いてもらう
        • みんなふわっとしたものを書いてきて、自分を俯瞰しきれてない
        • ここで何があって成長した、こういうことあったんだ、と気づくことで忘れた価値観を思い出す
      • 2.個人ビジョンを育てる
        • 成長の質も速度も変わってくる。アンカリング効果。
      • 3.1on1
        • 人を育てるに当たってリーダーであろうする必要はなく、よき伴走者であるべき
        • ブレイクスルーが起こるまでひたすら対話する
  • 3.最近やってた・この先やりたいこと
  • まとめ
    • フロー改善や情報発信などでデザインの土台を作る
    • 内側に強い動機があるデザイナーを育てる
    • 当たらな取り組みの可能性を模索し続ける
    • 何か変えようと思った時は孤独。腹くくらないとやりきれない。
    • 銀の弾丸はない。

Keynoteを経てディスカッション & 質疑応答 上谷 真之氏 × 西村 和則氏(モデレーター

ここでの発言はSNS掲載禁止なので省略します

パネルディスカッション「それぞれの組織で取り組むデザインとデザイナー育成」 石山貴広氏 × 渡辺 智保子氏 × 藤井 幹大氏 × 西村 和則(モデレーター

シロク 取締役兼CCO 石山氏

エウレカ UXデザイナー 渡辺氏

Supership デザイナー 藤井氏

※以下、敬称略

普段の取り組みについて

石山:事業を中心に動いているので一事業に対して必ず1人デザイナーをつけている。普通のデザイナーより広い目を持つよう強いている。

渡辺:サービスの規模が大きいので複数のデザイナーがいる。エンジニアだけで構成されているチームもある。各チームでKPIがあるのでそれの責任を負う。裁量は大きい。

藤井:アプトプットだけではなく、チームの目標をみんなで追っていく。デザイン以外でも漏れていることがあれば拾っていく。部署を横断して動いている。

西村:デザインに対する理解はある?

渡辺:元々受託をやっていたがデザインにバリューを置いている会社だったのでデザインに対する理解はある。組織内でデザイナーの発言が蔑ろにされることはない。

西村:初期の頃からこういう文化が根付いている?

渡辺:最初からかなり重視していた。急に人数も増えてきたので、その中で理解があまりなかった人もいたとは思うけど元々のメンバーがデザインに対しての発言をしていたりしたので、だんだん理解が芽生えてきていたのでは?

西村:事業KPIはデザイナーが責任を持っている?

石山:定量指標をチームで負っている。利益、売上に対してデザイナーも目が向くようになってきた。

西村:デザイナーがKPI等を見て動くことは?

藤井:基本、そうではなくてはダメ。

西村:デザイナーが起案をするとき、意志決定はどのように?

渡辺:チーム毎にKPIを持っている。KPIを達成するためにやることはチームに任されている。誰が案を出しても構わない。優先度はプロダクトオーナーとかが決める。意志決定はチーム全体が関わっている。チーム内で合意が取れたものを実施していく。

石山:課題の発見に関してもみんなやっている。意思決定になるとプロダクトオーナー的な人がジャッジする。意思決定よりいかに問題を発見するかが重要。仕組みづくりより席の位置を近くしたり。事業やる人数を小さくしたりして風通しが良いように。

藤井:その時々によって違う。メンバー全員が納得できるものにしていくことが重要。

デザイナー育成と文化づくり

西村:若手をどう育成、マインドセットしていく。

藤井:数字に対する意識を持ってもらうことはする。デザインしているというとはどういうことはなのかを考えさせる。KPIを達成するためにデザインというツールを使う。という順番で考えてもらう。事業の中でやっている以上、そこにヒットするものではなければ意味が無い。なぜそのデザインがヒットするのか、もしくはその人の考えた仮説がなんでダメだったのかを一緒に考える。

西村:デザイナー以外の人に対してどう理解をしてもらう?

藤井:現場で上の人達にデザインってこういうことで重要だよね、って語ることが重要。デザインって何の役立つの?って言う会社の場合は事業に対して価値が有ることを証明する必要がある。

西村:施策に対してのKPIはもっている場合が多いが、このボタンを動かしたことによるKPIのようなものはある?

渡辺:その課題ってどうやったら解決なんだっけ?ということは考える。事業ごとのKPIは粒度はでかい。デザインの意図を言語化するということはよくやっている。デザイナーはバナーを中心にするということを無意識にやっているが、他の人にとっては普通のことではなかったりするのでgitでこれは位置のバランスが悪かったので修正しましたなどのようにエンジニアとやり取りする。

藤井:言語化するって重要。言語化すると再現性が出てくる。

西村:運営した中で体現したものをシロクでやっていますよね。

石山:デイリーで運用改善していった。確実にKPIに貢献できるような仕組みを他社に提供したら生きていけるんじゃないかと思った。デザインって経営からすると投資行為。デザインはやりっぱなしが多い。定量化して、積み重ねていくと組織のデザインに対する信用度が高くなる。

これからのデザインに求められるもの

西村:経営者がデザインを理解するにはどうしたら?

石山:①理解を深めるという意味ではスライドシェア、オライリーとかを見てもらう。情報を得る手段はいっぱいあるので一読するといいのでは?②スペシャリストであるデザイナーに任せてもらう

西村:デザイナー同士のレビューの仕方、気をつけることは?

藤井:今は定期的にやっていない。デザインレビューの目的ははクオリティを上げることと、他のチームがやっていることを知るということ。制作会社は他のチームがやっていることを知らなかったりする。発表内容としてはデザインの意図など。

西村:成果を出すデザイナーチームの条件とは?

渡辺:デザイナー定例でデザインレビューとかをしている。どのチームでどういうことをやているのかを共有する。このアイコン悩んでいるんだけどどうしたらいいというワークショップをしたり。

西村:組織を変えていこうと思った?

藤井:組織には何かしら課題があるので変えていこうと思った。

西村:デザインに理解のない組織でそれを変えようと思う動きはどう思う?

石山:外に出たほうがいいのでは?大きい企業だと意識をかえるには4,5年かかる。4年あるだけでサービスを作って世に出せる機会はかなりあるはず。自分で立ち上げるorそれが浸透している組織へ行った方が。

渡辺:デザインになんで理解がないのかを深掘り。それでもダメなら転職するでも。