とりあえずやってみればいいじゃん

とりあえずやってみればいいじゃん

エンジニア関連のことについてつらつら書くブログ

体験価値をより高めるこれからのプロダクトデザイン #designship2018

※この記事はDesignShip 2018 2日目のトーク、横関 亮太さんによる「体験価値をより高めるこれからのプロダクトデザイン」の内容を書き起こしたものです。記事を早く出すため体裁が整っていない部分もあるかと思います。あとで気が向いたら直します。

横関 亮太 氏経歴DesignShip Webサイトより)

1985年岐阜生まれ。金沢美術工芸大学製品デザイン学科卒。2008年から2017年までソニー(株)クリエイティブセンター勤務。2017年 RYOTA YOKOZEKI STUDIO を設立。プロダクトデザインやクリエイティブディレクションを軸に、家具、家電製品、生活用品など国内外の様々なプロジェクトを手がける。2016年「AIZOME chair」がVitra Design Museumに永久所蔵された。iF Design賞、Good Design賞など受賞多数。

トーク内容

今までやってきたプロセスから、今回のテーマに紐づく話をする。

経歴

自分のスタジオでプロダクトデザインを行っている。金沢美大卒。家電のデザインをしつつ、副業で家具などのデザインをしていたこともある。

体験価値を高める次世代の原型を模索する

これをテーマとして掲げている。多種多様なライフスタイルで、様々な体験を人々は求めている。それぞれに合う体験、価値を高められるように。より新鮮で美しい体験、今までにない新しい体験を提供するなど。

セラミックアロマリヒューザー

陶器の上部がフィルターになっていて、アロマを垂らすと、特殊な釉薬が反応してアロマが自然気化する。部屋中まで香るようにする仕掛けが入っている(ファンが入っている)。この方式のいいところは今までの家電にはない掛け合わせで新しいバリューが出ていること。普通のものだと、水とアロマが混じると、カルキの匂いがしてしまう。他の方法でも、香りに影響が出てしまっていた。このリヒューザーは香りのポテンシャルを最大限に活かせる。

デザイナーだけで作るものでもなく、チームで作っていた。家電メーカーの人が自社の商品を作りたい、アロマリヒューザーを作りたいという話があったので今回手を組んだ。渋草柳造窯の方も共に。

渋草柳造窯ではいろいろな陶器の開発していた。今回はただカラフルにするだけでなく、どんな人が使うのか、どんな色ならテイストに合うのか、質感はどうしたらいいのか、どの香りと合うのかなどを考えた。家でインテリアとして使うだけでなく、オフィスでも使えるようなカラーの組み合わせを提案した。

大企業でなくても家電が作れるようになってきた。大企業とは違うプロセスでアプローチしてみた。

家電ぽく見せたくなかったという思いがあった。家に馴染むような形で提供したかった。違和感を感じるようなものを作りたくなかった。ボタンを極力少なくして、工芸品のように見せた。

写真の力は強い。喋らなくてもできるだけ世界観が伝わるような写真を撮った。

AIZOME FURNITURE

藍染を使った家具を提案した。藍染は普通生地を染めるために使うもの。日本の伝統工芸と現代的な造形をかけ合わせて、世界でも認めてもらえるような家具を開発した。合わせて照明も作った。電球をなくしたかったので、真ん中に導光板を作って置いている。スイスにある、世界中の椅子を展示している美術館に、この椅子を置いてもらっている。

藍染の鉦を見て、取っ手の部分なども染まっているところを見て、これは面白いと思って今回の開発につながった。染めた生地が美しいのはもちろん、付随して染まったものが美しいと思った。それで実験を始めた。

WEARABLE NECK SPEAKER

肩に乗せるタイプのスピーカー。ホームユースで使うもの。自分だけ大音量を楽しめる。映画を見るときなどにコンパクトに使える。耳がオープンになっていて、このスピーカーは上に発せられるので、スピーカーの音を聞きつつ、話しかけられたら反応できる。料理をしている時も、このスピーカーがあればテレビも楽しめる。年配の方に合わせてテレビの音量を無駄に上げなくてもよくなる。この商品はアメトーークでも紹介された。ゲームとの親和性もよく、VRウェアと共に使うなど。耳だけでもオープンにすることで、閉塞感の解消、よりリアルな音の感じ方ができる。

元々はヘッドフォンのようなものをプロトタイプとして作っていた。その次は紐のようなものにして、バンドの位置を調節していった。肩の位置がずれてもいい音が聞こえるように調節した。男性でも女性でも、子供でも大人でも変わらず使えるようにした。使用している時は視界から外れているので、触り心地だけでボタンがわかるようにしたりするなどの工夫も行っている。充電は、スマホなどように小さいコネクタでできるようにしている。

いきなり3Dでデザインすることもあれば、平面でデザインすることもある。プロジェクトによって変えている。

REMOTE CONTROLLER

オーディオ用のリモコン。ボタンが多すぎて何を使ったらいいかわからないという声がある。改めて一から考えてみた。使用頻度、ユースケースなど…。そうしたら7つのボタンだけで済むようになった。どこに何のボタンがあるのか、ブラインドタッチできるようにした。商品を知ることによってリモコンのデザインも変わってくる。セッティング用のボタン(使用頻度が低いもの)は開閉したところにしまわれている。

ハイパワーオーディオ。家でマックスボリュームでクラブミュージックを流すなど。スーパーカーのような、所有欲を満たすようなデザインが良さそう。ちゃんと大きいスピーカー感を出す。プロDJのような、操作してる感を表現するために、タッチパネルではなくボタンを配置している。リアルタイムに音楽に合わせて光の演出もできる。

最後に

デザイナー一人で作るものではないので、みんなで新しいものを作っていく。