とりあえずやってみればいいじゃん

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トイレの美しさに向き合い続けて考えたこと #designship2018

※この記事はDesignShip 2018 1日目のトーク、大塚 航生さんによる「「トイレの美しさに向き合い続けて考えたこと」の内容を書き起こしたものです。記事を早く出すため体裁が整っていない部分もあるかと思います。あとで気が向いたら直します。

大塚 航生氏登壇内容DesignShip Webサイトより)

私の働く水周り業界は、1つ1つに特徴的な機能があるわけではない純粋に水を流す事だけに特化した商品、住宅等に付けられる設備・装置です。

その為、新しさや面白さではなく、純粋に造形の美しさや空間との調和性が価値になる業界です。 今回お話しする、「トイレ」に愛着を持っている方はあまりいないと思いますが、実はトイレにも並々ならぬ美しさの追求がなされています。 そこで得た事・考えた事を皆さんと共有できればと思います。

トーク内容

経歴

東京造形大学 インダストリアルデザイン専攻出身

トイレの空間のキャビネット、空間のデザインに関わってきた。

トイレの多様性

日本のトイレ、海外のトイレでも違うし、シチュエーションによってもデザインが異なる。蛇口は造形の美しさがそのまま美しさにつながっている。便器とウォシュレットのデザインの違いについて説明する。

便器のものづくり

便器は陶器で、焼き物。型に土を流し込んで、焼いて作る。器と同じ作られ方をしている。造形から出来上がるまで13%も縮む。便器は複数のパーツで構成され、かつ複雑になっている。多くの職人のスキルやノウハウによって支えられており、昔ながらの製品になっている。

便器の新しい形の提案は、苦悩の連続。開発部の人とコストやデザインの必要性についてすり合わせていく。種モデル確認ということをしている。機能的な部分を作り込んで焼いたときの変形を見込んだ形などをすり合わせる。その過程でデザインが異なっていってしまうことがある。

ある時、いいね、そのデザイン難しそうだけどやってみよう、とスムーズにいくことがあった。それは、共感を得られたから。コミュニケーションが意外に大事だったりした。職人との対話を通してデザインに対する共感を得ていく。

ウォシュレットのものづくり

普通であることを目指してデザインしている。毎日使うものなので、異物感を感じないようなものにするべき。機能部を単純に覆い隠すデザインにすると無機質、異物感を覚えるようなデザインになってしまう。普通なデザインにするには設計的な視点とデザイン感覚が重要になってくる。

ものをデザインする時は機能はどんなものがあり、それがどんなスペックであり、どのようなレイアウトになっているのか、どのような動きができるのか、全てを把握した上でデザインする必要がある。そこが難しいところ。可動部分の重心計算をした上でデザインしたこともある。

商品になるまで

デザインの提案をするものの、形が変わることもある。変更をする中で何が大切なのかがわからなくなってくることがある。その時に重要なのはバランス感覚。最強の折衷案と生み出す。上記の全てを理解した上で80%くらいが程よい割合。

プロダクトデザイン

確かな品質を持った商品を届けることが社会に対しての役割。開発者との対話の中でちょうどよいもの、共感が得られるものが生まれてくる。美しさに到達する前に、プロダクトとしての確からしさが必要になってくる。こんなものかっこいい、も大事だが確からしさも大事にしてほしい。

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